恋の媚薬

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「ごめん。えっと……、それは何の話?」 「もー! 惚れ薬の話に決まってるでしょ。チョコは天然の惚れ薬とも言われてるんだって! さっそく和泉に食べさせてみようよ」 この話まだ終わってなかったんだ。協力してくれるのは嬉しいけど、そんなに目を輝かせながら言われても困る。 「それで好きになってもらえるなら、世の中から片思いしてる人が減るね」 「こら、やる気のない返事しない! 渡す時に会話できるし、それで好きになってもらえたら最高でしょうが」 チョコレートの効果はともかく、会話が増えるのは確かに魅力的だけど。 「でもどうやって渡すの? 今は秋だしバレンタインはまだ先だよ? 今年だって渡せなかったし、来年も渡せるとは我ながら思えない」 ヘタレって思われても、気持ちがバレそうな渡し方は無理なわけで。 「それはー……。あ、いいこと思い付いた! 私ってば天才! これからは"あかり様"って呼んでくれてかまわなくてよ?」 「うん。やっぱり酔ってるよね? もうお開きにしようか」 「酔ってないってば! 恥ずかしいから冗談に対してそう返すのは止めて! それに作戦聞きたくないの?」 「じゃあ、聞くだけ聞いてみようかな。実行出来るかどうかは別としても気になるし」
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