恋の媚薬

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「見ーちゃった! 良かったね。あの作戦かなりうまくいってるみたいじゃん」 和泉がフロアを出ていったと思ったら、あかりがニヤニヤしながらやってきた。周りに人がいるからか声のボリュームは小さめ。 「 そうなの! あかり様に大感謝です!」 「ホホホ。お礼は高級焼肉でよろしくてよ?」 「ぐっ、次のボーナスまで待って頂けるなら……」 職場でこんな冗談を言い合うぐらいテンション上がってる。 「嘘、嘘。本気にしないで。それより、和泉に貰ったチョコを早く食べられるように手伝ってあげようか?」 そう言いながら指差したのは、私が買っておいたチョコレートが入っている引き出し。箱は開封済みだけど、中身は結構残っていたはず。 「もー! それって、あかりが食べたいだけでしょ?」 「あ、バレた?」 「バレバレ。じゃあ午後にタイミング見計らって来てよ。その時にあげるから」 和泉と少しでも長く話せるきっかけを作れるなら、いくらでもあげますとも。 「了解! あ、織田(おだ)先輩おはようございます。今日も椅子お借りしてましたー。じゃあ、香帆またね」 「お前らって本当に仲が良いよな。毎日そんなに何を話してんだよ」 和泉とよく話している織田先輩に恋バナですなんて言えるわけもなく、適当に世間話ですよと答えておいた。
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