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お互いの似顔絵を描いてみようっていうことになって、わたしたちは居間のちゃぶ台のところに向かいあって座った。
ふぅん、俊哉くんって、意外とキリッとしたつり目なんだなー。
鼻は意外と高くって、唇は薄め。
あっ。頭のてっぺんの毛が、寝ぐせなのかちょっと立っている。
顔の輪郭をざっと取ってから、俊哉くんの顔の特徴を細かく描き入れていく。
夢中になって描き続けること二十分。
あ。そういえば、俊哉くんは大丈夫かな?
一緒に描いていたことをすっかり忘れちゃうほど集中してた。
ちらっと俊哉くんの様子をうかがうと、ささっと鉛筆を走らせては、バリバリと頭をかいて。
もう一度鉛筆を走らせてから、消しゴムでゴシゴシ消す――の繰り返し。
いきなり人間の顔を描くのは、さすがに難しすぎたかなぁ。
「俊哉くん、どう?」
「ああ……うん、まあ……」
「よく見て、見える通りに描けばいいんだよ」
「……うん……」
さっきまでの元気はどこにいっちゃったのか、全然返事に元気がない。
眉間にシワを寄せて、ものすごく難しい顔でノートに向かっている。
……こういう表情をじーっと見ながら描く練習なんて、なかなかできないしなぁ。
申し訳ないと思いつつも、チャンスとばかりに、どんどん鉛筆を走らせる。
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