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その日の夜。
ピロリ~ン。
あ、お母さんからLIMEの返信だ。
『楽しそうで安心した』っていう言葉と、ほっぺたを赤く染め、うれしそうな顔をしたキツネのスタンプが返ってきた。
実はね、今日学校から帰ってから、みんなの似顔絵入りの絵日記を描いて、お母さんたちに写真で送ったんだ。
しばらく連絡してなかったし、心配してるかなって思って。
……っていうのは、口実で。本当は、わたしがお母さんとおしゃべりしたかっただけ。
『お父さんは、毎日寝る間も惜しんで絵に夢中です』
向こうで借りたお部屋なのかな?
お母さんの送ってくれた写真には、広いアトリエで、大きなキャンバスと真剣に向き合っているお父さんが写っていた。
どこにいても、お父さんはお父さんだ。全然変わらない。
『がんばりすぎて体壊さないでね、って伝えといて』
そう返信すると、スマホを机の上に置いた。
お父さん、お母さん。わたし今、久しぶりに学校が楽しいんだ。
だから、安心してね。
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