朝から真夜中

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 私だって寝台ですることは知っていたが、ナイはもっとよく知っているようだ。  楽し気に私を裸に剥いて、端から齧っていく。  私の胸の真ん中には、白い骨の色をした親指の爪程の大きさの石が埋まっている。  不透明だった白い石は、今は少し透明がかっている。 「この石はまだ何の色もついていないのだな」  べろりとナイが乳房の間の石を舐める。 「ひゃっ……」  ぞくぞくとした感触に身震いがする。  私の声に気をよくしたのか、石のまわりをほじくり出すように舐めまわす。 「ナイが私を愛せば、石に色がつくわ……」 「愛か……」  ナイはまた石を舐めながら、私の胸のふくらみに指を沈める。  中身を確かめるように揉みしだき、その頂を押しつぶす。  体の奥に向かう刺激にきゅっと体をこわばらせると、その刺激をなじませるように何度も何度も繰り返し快感を教え込まれる。 「ナイ……あっ、あっ……」 「スーイ、これは愛か?」  愛撫で立ち上がった先端を私の顔を見ながら紅い口が吸い上げる。  快感を受け取りながらも、淫らな動きをするナイから目が離せない。  ナイの肌の白さと黒と赤が、私の視覚を犯す。 「それが愛かなんて、分からないわ……私はあなたではないもの……」  先端を噛まれてひくひくと魚のように体をのけぞらせると、ナイの唇はそのままわき腹を伝って足の方にまで下がってくる。  足の間にひんやりとした指を差し込んで、つうと指の平で割れ目をなぞる。 「悦いのか? 濡れているな」  恥ずかしげもなくそう告げられ、心なしか不安感が増す。  そのまま指を動かし、いかに濡れているかを私に教える。  蜜を垂らして綻んできた合わせ目を開いて、入り口を撫でながら黒い目がそこを観察している。 「……あの、それ……は、はずかしい……」  下半身をじっくりと見られている間、うっかり今の状況を俯瞰で見てしまって羞恥で頬が熱くなる。 「そうか、恥ずかしいのか。だが、やめてやれそうにないんだが……」  ナイはきっと私が嫌だといえばそれ以上はしない。  嫌ではない。  嫌ではないのだ 「……嫌ではないの。ナイにされるなら嫌じゃない」  ナイはうかがうように唇を求める。  深くなった口付けとともに、再び未熟な蜜口にぐじぐじと指をなじませる動きが始まる。  敏感な所を擦られて、ナイにしがみつく。  指が一本ゆるゆると中に入れられるのがわかり、喘ぎ声をあげる。 「嫌じゃないのは愛か?」  愛だろうか?  あの日、成人した私は皆から祈りとともに愛する人に出会えることを願われていた。  ナイは私の運命なのだろうか? 「これが愛じゃないとは言い切れないわ……だって、こんなに恥ずかしいけれど、ナイに石をあげたくないとは思わないもの」  ナイは凶悪な表情をして私を貪り始める。  指を咥えさせた私の狭い穴を広げて舌も捩じ込み、ナイの為の穴に作りかえていく。  その間、なされるがままに快感に咽び泣く。 「ナイ……奪って……ナイに全てあげるから……」  ナイは愛おしそうに私を撫でて、私の思考をぐちゃぐちゃにかき混ぜて私の中に入ってきた。   「私の名前はカレンタ(アヤメ)。花の時期に生まれたからつけられたのよ」    ナイは私の中の行き止まりまで進んで、ぎゅっと抱きしめて動かない。  苦しいところを過ぎて、睦み合うたびに少しずつナイが身に馴染んでくる。 「その名で呼んだ方がいいか?」 「いいえ、ナイがつけてくれた名前がいいわ。  ただ、その名を覚えていて欲しいだけ」  ナイは誓いを立てるように、私の瞼に口づける。 「スーイ、俺のこれは愛だった。見てみろ、色が変わる」  私の石は少しずつ色を燈していく。  淡い淡いアヤメの色の中にキラキラと金の星が散る。 「ナイ、すべてというのは心もすべてということよ」  ナイは急に身を起こすと、晴れやかな顔で私を揺さぶり始める。 「スーイ、俺は全部ほしい。スーイが全部ほしい」  私の石はこれ以上ないほどに濃い色に染まり、たくさんの金の星が散った。
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