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ソフトクリームを片手に、木陰にあるベンチに拓人と並んでソフトクリームを食べる。
将馬おじちゃんと岳人パパはさっさと食べ終わって、男ふたり芝生の広場に行って何故かサッカーを始めてしまった。
あんなふうに男二人が童心に返る姿も珍しくなくなってきた。
わかりやすくするために『親友』としていたはずなのに、いまは本当に『親友』になっている。
拓人もソフトクリームを食べながら、そんなパパと三佐を眺めている。
いつもなら早く食べて、パパたちと遊びたいと急ぐのに、今日は寿々花の隣でゆったりしていた。
「あのね、すずちゃん。相談があるんだ」
「うん? どうかしたの、たっくん」
まるでパパふたりが遠くにいるからこそ、いまだと言わんばかりのタイミングに思えた。
ソフトクリームをゆっくりとなめていた拓人が、真剣な眼差しで寿々花を見上げてくる。
「父の日に、パパだけじゃなくて、三佐にもおなじものをあげたら……おかしいかな……」
なんですって! 拓人から先にそんな気持ちを芽生えさせてくれていたことに、寿々花は仰天する。
やだ、もう涙いっぱいの三佐の顔が浮かんじゃって大変!
超超極秘ミッションじゃないですかそれ!
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