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「あはは。ちょっと焦げているほうが実は好きだったりするんだ」
「僕もちょっと好き。焦げてても、焦げてないのも好き」
「おお、拓人と三佐は仲間だな」
制服姿の時は硬い自衛官の顔であることが多いのに、館野三佐がなしくずしな笑顔になってしまうのも、ここが自宅であるから。それ以上に、息子が出迎えてくれたから。
「岳人パパ。今日はお仕事締め切りで余裕がなかったみたいだから、就寝時間まで預かることにしたの。お風呂も入れてくれたら助かるって」
「そうか。だったら、拓人。おじちゃんと一緒に入るよな」
「うん。でも、プリント終わったらね」
思った以上に忙しい。夕食を食べさせて、プリントをさせて、お風呂も入れて――。これ、岳人パパ、いままでひとりでやってきたんだよねと、ほんと尊敬してしまう。
まずは三人揃っての夕食を開始。
お風呂の湯張りの間に、将馬がダイニングテーブルに座って、拓人の宿題を見てくれる。
終わったら、将馬おじちゃんと拓人が男同士で入浴。
岳人パパから預かった拓人のパジャマセットを準備。いつでも眠れる格好にして、眠くなったらこのまま寝ちゃってもいいし、いつでもパパのところに帰れるようにしておく。
バスルームから楽しそうな拓人の声が聞こえてくる。
本当の父子の和やかな入浴。
たまに岳人パパもこちらの家に泊まりにくるため、一室には岳人親子の宿泊部屋として使用している。
今日はそこで将馬が添い寝をしてくれる。眠ってしまっても眠らせたまま、彼がそっと岳人に返しにいくことも、もうなんどもあった。拓人も将馬と寿々花の家にはだいぶ慣れている。
パジャマに着替えて少し身体を休めたら、やっぱり眠そうな顔をしている。
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