4.愛すほど澄んでいく

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 だからなのか、身に覚えのある将馬がちょっと焦った顔をして頬を染めたのがわかった。 「あ、そうなんだ。って、お母さんに相談しているのかよ。子作りバレバレってことなのか!?」 「いつそうなってもいいように、どこの産婦人科がいいかなって話し合っているだけだよ。いざそうなったら、お母さんの手助けいるじゃない」 「まあ、そうだよな。うん。そこのあたりは、やっぱり俺、お義母さんにお任せしたいから、うん、わかった」  誤魔化せた……かな?  産婦人科の相談なんかしていないし、でも、ちょっと気になっていたことではあったので咄嗟にでた言い訳だった。 「まさかその兆候があったのか」 「ないよ。でも、毎月ドキドキはしてるよ」 「俺もだよ。待ち遠しいような、ほんとうにそうなったときの覚悟とかさ」  そこで将馬がちょっと考え込むように遠い目を見せ、寿々花ではなく夜の窓辺へと視線を馳せた。 「拓人にはどう教えようか。ほんとうの兄弟になるんだよな」 「私たちの子のお兄ちゃんになって――でいいと思うんだけど。いつのまにか、本当のお兄ちゃんになっているようにしていけばいいんじゃないかな」 「そうだな。岳人君も、何人できようが一緒に寄り添っていくよと言ってくれているから。できればいつまでも、父ふたり、拓人と寿々花と産まれてくる子供たちと一緒にいられたらと思っているよ。ただ岳人君の本心はどこにあるのかなとたまに思うんだ」  寿々花とおなじことを考えていた。 「先のことはわからないけれど、そうなったらいいなを目指していくしかないよね」 「そうだな」  寿々花の言葉に、遠い目をしていた将馬がやっと安心を得た笑みを見せてくれた。
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