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雪原をイメージしたロールケーキには白い生クリームを。広海さんのアイデアでホワイトチョコを削り落として雪が降り積もったようにデコレーションをして、最後に拓人がデザインをして焼いた雪山バッジのクッキーを乗せる。抹茶クリームのロールケーキはフォークでつんつんとクリームを立たせて緑の草原風に。そのうえにジーンズのクッキーを乗せる。
最後にアイシングでメッセージを描いたプレートも乗せた。
ケーキが出来上がると、芹菜ママがまたお洒落な箱に詰めてくれる。
ほんとうにお店で買ってきたような姿に整ったのは、このママのセンスのおかげであって、荻野製菓に勤めている広海さんがいろいろな商品包装の知識もあり、会社から見合うものをもらってきてくれたからだった。
寿々花はいちおう材料費を渡そうとしたが、受け取ってくれなかった。
これは母親の遥も予測していたことだったので、それならばと季節のフルーツである『さくらんぼ』のギフトセットを御礼の品として持ってきた。そちらを喜んで受け取ってくれた。
「おじゃまいたしました。今日は素敵なケーキづくりを手伝ってくださり、本当にありがとうございました。将馬さんも岳人さんも喜ぶと思います」
「ありがとうございました。たのしかったです。プレゼントできあがってうれしいです」
御礼で丁寧にお辞儀をする寿々花の隣で、拓人もきちんとお辞儀を倣ってくれる。
「また来てね。でも芹菜ママ、今度はたっくんの『赤いスイートピー』聴きたいわ。ママもあの曲、大好きなの」
「じゃあ、こんどはすずちゃんにクラリネットを持ってきてもらって、唄うね」
「あら。素敵! 寿々花さんの演奏も聴きたい! だって自衛隊の音楽隊演奏者ならばプロですもんね!!」
「ご迷惑でなければ、その機会にぜひ」
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