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「そうだね。岳人パパも驚いていたね。でも、たっくんがやりたいならやらせたいと言っていたよね。将馬さんもそれでいいんでしょう」
「もちろん。息子がやりたいと自分から言いだしたんだ。岳人君が反対しないなら、俺も習わせていいと思っている。ピアノなら遥お義母さんの伝手で教室を紹介してくれそうだしね」
拓人が突然言い出して驚いていたお父さんふたりだったが、あの後真剣に『どうします』『拓人がそういうなら習わせよう』と話し合っていた。その気なら母が知り合いの教室に問い合わせてみるというところまで話が進んだのも本当のことだった。
「なんか。もっと先かなと思っていたんだ」
「もっと先?」
「拓人と寿々花が本当の意味で繋がることが」
それは『息子と義理の母として』ということを言っているのだとわかり、寿々花は驚き黙り込む。
確かに先のことだと寿々花も思っている。そして、それはとても丁寧に向き合わねばならぬデリケートな問題だから、急に持ち出されると寿々花は戸惑う。それでも将馬は続ける。
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