7.だから。笑わない、のですか

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 優秀で素敵な彼を見て、一目で惹かれる女性たち。間違いなく寿々花もその一人になってしまっているとわかってしまった。 「ですが、自分はお父様の副官として務めるだけ。心配無用です」  そう告げられ『もしかして。好意を抱いているのなら諦めて欲しい』と、遠回りにやんわりと伝えられているのだとも悟った。  公園で会ってしまったばかりに。誰も見ることがない彼の笑顔を知ってしまったために。よけいに惹かれていく心を育ててしまった自分を寿々花は呪った。
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