8.ワンコは忘れない

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 足を痛々しそうに引きずっていたので、母の診察が終わったころ、帰りは寿々花が仕事を抜けて、母に付き添うことになった。タクシーに乗せて自宅まで送る、そこからまた部隊に帰り仕事に戻ることにした。  その母を自宅に送って、戻って来たのは昼休み過ぎになった。  いつも入る門を通過して、歩いてしばらくすると、制服姿の男性が立っていた。  館野一尉だった。寿々花も立ち止まる。もう二度と真向かって話すことはないと思っていた人がそこにいる。
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