1.ワンコより速い男

6/6
前へ
/196ページ
次へ
「それでは、お気をつけて。よっ君、お姉さんから離れるなよ」 「ありがとうございました」  手を振る彼が颯爽と走り去っていく。リズミカルに走る彼の背中を寿々花は見送る。  おじさん。かな? 寿々花は首を傾げた。でも、かっこいい人だったと寿々花は思ってしまった。  赤いリードの壊れた金具を見つめて、寿々花はため息を吐く。報告したら母に怒られる? でもよっ君が無事でよかったとほっと胸をなで下ろして帰宅した。
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1277人が本棚に入れています
本棚に追加