12.目が覚める

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「俺、好きな女性がいるんです。そこの、将補のお嬢様です」  え……。寿々花の目が点になる。  父までもがいままでの余裕狸将補がどこへやら『なに!?』と驚き飛び上がっていた。  ちょっと待って。それって、鳴沢ご夫妻の気持ちを諦めさせるためのカモフラージュにしようとしているの?? それも父親の目の前で、いや、陸将補という上官の目の前で!?  鳴沢夫妻も半信半疑なのか、寿々花を見ては館野一尉と交互に見て戸惑っている。  息子のためにしか生きないと誓っていた男が言いだしたことに、誰もが驚き固まっている。
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