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彼も、館野一尉の佇まいに戻って許可をする。でも、嬉しそうだった。
「うわー。このことも、拓人が理解できるようになったら教えていきたいです」
話がだいたいまとまり、父親ふたりが親しげにコーヒーを飲み始めたのを見計らったのか、マスターが『パフェができますよ』と店のドアを開けて、ドッグランにいる両親と拓人君を呼んでくれる。
ドッグカフェなので、ヨキも一緒に店内にはいったところで、拓人君の元気な声が聞こえる。
「よっ君も一緒にお店にはいっていいの!?」
「うん。ここはワンちゃんと飼い主さんが一緒にごはんができるお店なのよ」
「わ、よっ君。僕といっしょのテーブルでいいかな」
「いいわよ~。じゃあ、おばちゃんがいつも座る丸い大きなテーブルに行こうか」
すっかりうちとけた様子の母と拓人が、ヨキのリードを一緒に持ちながら奥のテーブルへと向かっていく。
『話し合いが終わったなら、みんなで一緒にどうか』と父が様子を窺ってきた。将馬と岳人パパが頷き合い、母が気に入っているという奥のテーブル席へ向かう。
奥まった場所に大きな丸テーブルがあり、窓からは豊平川の河原が見える。そこに木漏れ日が降り注いで、みなで集まる。
母の足下にはワンちゃんマットがあり、ヨキがそこにちょこんと座った。そのすぐそばの椅子に拓人が座って、ずっとヨキをにこにこと眺めている。
父と母にも温かい飲み物が届き、拓人の目の前にも『ちいさなチョコレートパフェ』が届く。
外で元気に遊んできたぶん、少しお腹が空いているのか、拓人がぱくぱく元気に食べ始めた。
そんな息子を優しく見つめているパパと、愛おしそうに見つめている自衛隊のお父さん。
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