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涼しい風が吹いていく。
涼花ーーー。
あの時と同じく暑い夏がやって来た。今年も酷暑で外出すら辛い日々だ。
だけど、そんな暑い夏を、涼花は優しく包み込んで、爽やかなクリームソーダのように冷やしてくれた。
優しくて思いやりを持ち、誰に対しても分け隔てなく接してくれる子だった。
もう会えないかもしれないけど、私の心の中にはいつもいる。
私と彼女は、ただのクラスメイトだったけれど、それでも私の心に残り続ける人。
もっと親しくなっていたら、たくさんの他愛ない話をして、笑ったり、時には悩みを一緒に乗り越えたり、一緒に努力を重ねたりが出来たかもしれない……。
私はずっと前から、涼花のことが気になって仕方なかったんだと思う。
今更だけどね……。
でもその想いは、今も変わらない。
涼花は、私にとって特別な人だった。
だからこの気持ちは、伝えないまま……。クラスメイトのままで、終わらせる。
友達になれる機会は幾つもあったのに、躊躇って駄目にしたのは紛れもなく、私自身なのだから……。
それに私は、彼女にどうしても伝えたいことがあったのだ。
それが何かって? ふっ、それはね――――。
―――ありがとう!大好きだよ!!―――
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