残った世界

3/4
前へ
/13ページ
次へ
だけど、彼女はこの世界にもう居ない。 泥だらけで、傷だらけ…。ボロボロの体だった。 泥を刷り込まれた傷口が疼いたが、そんな事を気にしている暇はない。 魔法で鍛え上げた虹色に輝く剣を握り直し、再び敵に対峙した。 大雨の中、押し流される体力を何とか堪え、構える。 この剣と魔法の世界で、君を殺めたアイツに復讐するために、私は、いや僕は立ち上がった。 涼花を失ったあの日から、ずっと後悔と懺悔の繰り返しだった。 鋭い視線で睨み見据える。 冷徹で冷めた表情が綺麗な男は、構えた僕には興味がないようで、機械的に右手に武器を出現させた。 復讐の為だけの僕は…
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加