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だけど、彼女はこの世界にもう居ない。
泥だらけで、傷だらけ…。ボロボロの体だった。
泥を刷り込まれた傷口が疼いたが、そんな事を気にしている暇はない。
魔法で鍛え上げた虹色に輝く剣を握り直し、再び敵に対峙した。
大雨の中、押し流される体力を何とか堪え、構える。
この剣と魔法の世界で、君を殺めたアイツに復讐するために、私は、いや僕は立ち上がった。
涼花を失ったあの日から、ずっと後悔と懺悔の繰り返しだった。
鋭い視線で睨み見据える。
冷徹で冷めた表情が綺麗な男は、構えた僕には興味がないようで、機械的に右手に武器を出現させた。
復讐の為だけの僕は…
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