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ふと視界を奪われ、気がつくと別の世界へと流された。
そう、涼花を失ったあの日に戻された。
この世界に束縛された彼女は、自分のみを捧げて解放された。
僕は、僕だけが取り残された 君がいなくなった世界で、生きていかなければならないなんて……
そんなの……耐えられるわけがないだろう? どうして……どうして君は先に逝ってしまったんだい? 君が死ぬことを止められなかった僕を軽蔑したかい? それとも許してくれたのかい……? ……いや、きっと君は僕を許してくれてないだろうね。
もう会えない君に謝り続けるしかないね。
本当にすまない。
裏切ったと僕はずっと、心の何処かで思っていた。
一番、許せないのは、本当は私、いや、僕自身だったのでは…
目を見開いて、また戦闘中の世界に引き戻される。
一瞬の放心の後、あの冷血漢の顔が目の前にあった…。
終
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