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No.4814と呼ばれる兵士を中心に快進撃を続けるA国軍。
A国軍に押されるB国軍は、少しずつではあるが、後退していく。
「隊長、このままでは……」
「わかっておる」
不安そうにしているB国軍兵士のそばにいる、堂々たる体躯の兵士。
B国軍の隊長である。
B国軍兵士を次々と倒してきたNo.4814。その手足や首には何本もの矢が刺さっていたり、剣等による切り傷があったりする。
だが、そんな状況でも動じることなくNo.4814は戦い続けた。
――奴は普通ではない。
No.4814を見てB国軍隊長は、そう思った。
下手に手を出すとかえって損害が増えると判断した彼は、配下の兵士達にNo.4814から離れるよう指示を出した。
――奴のそばに、我が軍の兵士はいないな。
No.4814の近くにB国軍兵士がいないことを確認した彼は、腰の巾着袋から黒い球体を取り出した。
球体には一本のピンが挿さっている。
「貴重な武器だが、これを使うしかないか」
彼は球体からピンを引き抜き、No.4814目掛けて投げた。
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