悪魔を倒せ

3/7
前へ
/17ページ
次へ
 No.4814と呼ばれる兵士を中心に快進撃を続けるA国軍。  A国軍に押されるB国軍は、少しずつではあるが、後退していく。 「隊長、このままでは……」 「わかっておる」  不安そうにしているB国軍兵士のそばにいる、堂々たる体躯の兵士。  B国軍の隊長である。  B国軍兵士を次々と倒してきたNo.4814。その手足や首には何本もの矢が刺さっていたり、剣等による切り傷があったりする。  だが、そんな状況でも動じることなくNo.4814は戦い続けた。  ――奴は普通ではない。  No.4814を見てB国軍隊長は、そう思った。  下手に手を出すとかえって損害が増えると判断した彼は、配下の兵士達にNo.4814から離れるよう指示を出した。  ――奴のそばに、我が軍の兵士はいないな。  No.4814の近くにB国軍兵士がいないことを確認した彼は、腰の巾着袋から黒い球体を取り出した。  球体には一本のピンが挿さっている。 「貴重な武器だが、これを使うしかないか」  彼は球体からピンを引き抜き、No.4814目掛けて投げた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加