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寒さがまだまだ厳しい2月、僕は高校入試の試験日を迎えていた。
僕は自信がないまま今日の日を迎えてしまい、もうじたばたしてもしょうがないという気持ちになっていた。
そんな僕は自宅の机の中にしまっておいた、元旦の日に出会った白髪の老紳士からもらった薬の小瓶を取り出した。
ぼくはまだ不審な気持ちをぬぐえなかったけれど、藁にもすがるような思いで小瓶から薬を1錠取り出して、思い切って水と一緒に飲み込んだ。
自宅を出て試験会場の高校の正門を入って、試験会場の教室に入り自分の受験番号の席に座った。
この時の僕は薬を飲んでいたけれど、いつもと何も変わらないような感覚だった。
緊張したままの状態で試験が始まって、僕はできるだけ落ち着いて試験問題を読み始めた。
すると試験問題の解答イメージが頭に浮かんできて、なにも悩むことなくすらすらと答えを書くことができた。
試験中の僕は、次から次へと解答が頭に浮かんでくるという、今まで経験したことがないとても不思議な感覚に見舞われていた。
全ての試験が終わった僕は、とても手ごたえを感じていて自信に満ち溢れていた。
合格発表の日、僕は無事志望する高校に合格することができた。
今回志望の高校に合格できたのは、自分自身の力なのか薬の影響なのかはわからないけれど、僕はとても嬉しくて幸せだった。
3月に中学校を卒業し、4月から晴れて高校に入学し、僕は希望に満ち溢れた高校生活が始まった。
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