6. 急な誘い

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6. 急な誘い

  「え? いいんですか?」  私は、思わず、飛びつくように言った。  放課後、お母さんとの待ち合わせのために、いそいそと帰りじたくをする想太を横目で見ながら、私も、カバンに荷物をつめこんでいた。 (今日は、帰りは、1人だな……)  そう思うと、なんだかテンションが上がらない。そのとき、想太が言った。 「途中まで、一緒に帰る?」 「え? いいの?」 「うん。途中まで、道同じやし」 「かっ、かえる! 一緒に」  思わず、飛びつくように言ってしまう。あわてて、周りを見回すと、ナナセもミヤちゃんもサトミちゃんもいない。よかった……。ほっと息を吐く。  そういえば、放課後、美化委員会の作業があると言ってたっけ。  校門を出て、並んで歩きながら、想太が言う。 「なあなあ。みなみ。オレな、今ちょっと迷ってることあるねんけど、今度相談していい?」 「え? 相談? 私で答えられるかな?」 「だいじょぶだいじょぶ。みなみなら、きっと。今日は無理やから、また、今度きいてな」  想太は、軽く笑いながら言ったけど、相談って何だ? 気になるけど、それきり、想太は、その件について話そうとする気配はない。軽く鼻歌なんて歌いながら、隣を歩いている。  前から歩いてきた、制服姿の女子中学生たちが、ヒジでつつき合いながら、想太をチラチラ見て通り過ぎていく。すれ違うとき、(めっちゃ可愛いね~あのこ)とか言ってる声が聞こえる。
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