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「かっ……、はあっ、はあっ……!」
肺も苦しいし、右足も、熱を持ったようにズキンズキン痛む。
揉み合ううちに、はずみで踏まれたんじゃないと分かった。その人は、むりと俺の足を狙ったのだ。
「私を、ひとりにしてくれ!」
槐さんは服の上から自分を抱き締めて、首を振った。自分以外、誰もいらないと言う風に。
俺は胸を押さえ、片足を引きずって何とか立ち上がった。
どうしてこんな事になってしまったのか分からない。体がふらふらする。
土間のサンダルを突っ掛けて、そこから逃げた。
槐さんが、望んだから。
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