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ふくりんとあんずおばあちゃん
1. ふくりん
スイーツ妖精村の大福妖精族の男の子。いつも元気いっぱい。
ふよふよもち肌の7歳。
2. あんずおばあちゃん
駄菓子屋のおばあちゃん。
いつも温和で駄菓子屋に来る、子供達を迎えている。
3. ショートケーキ妖精族の親子
ショートケーキ妖精族のお母さんと4歳の女の子。
近所に住んでいるらしい。
🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛
ここは、自然豊かなスイーツ妖精村。この村には、元気な大福妖精族の男の子。
柔らかもち肌のふくりんが住んでいる。
今日は猛暑、ふくりんは、町の小さな駄菓子屋にアイスを買いに来ていた。
ふくりんは、お店の引き戸を、ガラガラと音をさせて開けた。
「おばあちゃん。アイスちょうだいふく~!」
可愛らしいあんずのおばあちゃんが、背もたれのある椅子に座っていた。
あんずおばあちゃんは、ふくりんを見ると、しわしわの人のよさそうな顔をほころばせてにこりと笑った。
おばあちゃんは、杖を突いてどっこいしょと、ゆっくり立ち上がる。
「あいよ~。ふくちゃん。今日は何がいいの?」
おばあちゃんは、杖を突きながらゆっくり、外に置いてあるアイス用冷凍庫の所に行った。
「あのねえ。今日は、ふくのような、白いお餅の中にアイスが入ったのが食べたいふく~」
「大福アイスだね。162甘だよ。」
ふくりんは、カエルの形のお財布からちょうど、162甘をおばあちゃんに払う。
あんずおばあちゃんから、アイスを受け取ったふくりんは、おばあちゃんに手を振った。
「ありがとう。帰るふく~」
「あいよ。気をつけてね」
〇〇〇
「ふう、暑いの……。ふくのお餅も溶けるふく~」
家まで、ぽてぽて歩く。日陰のある木の下に入り、座りこんだふくりんは、アイスが溶けてしまうので家まで、待ちきれずに途中でアイスのフタを開けた。
中には、ひんやり冷たい。白いお餅の大福アイスが2つ入っていた。
「ふく~……。おいしそうふく~。」
ふくりんは、愛らしい笑顔で、大きな口を開けて二口でアイスを食べた。
「ん~。冷たくて甘くて、おいしいふく~」
ふくりんは、頬を染めてうなった。
その時、道の反対側から母親らしき女の人と小さい子供が歩いて来た。
ショートケーキ妖精族の親子だ。
4歳くらいの女の子が、ふくりんの前で足を止めるとふくりんのアイスを、物欲しそうに見て言った。
「おいしそうな、アイスだね。おにいちゃん」
お母さんは「だめよ。後で買ってあげるから」と言ったが。
ふくりんは、そんな女の子を見てにぱっと笑った。
「うんっ、とっても、冷たくて甘くておいしいよ~。」
と女の子にちゅうちょなく、ひとつ残っていた。
アイスにプラフォークを刺して、容器ごと差し出した。
「冷たくて、おいし~!」
女の子は、大きく口を開けて嬉しそうに食べた。
お母さんは笑顔で、すまなそうに言う。
「ごめんなさいね。ありがとうね。僕のお名前は?」
「ふくりんふく~」
ふくりんは、元気よく返事をした。
ふくりんは、女の子のお母さんに、先程のおばあちゃんのお店でアイスを買ってもらい
女の子と2人でベンチに座って、仲良く並んで食べた。
「おいしいね。おにいちゃん!」
「一緒に食べると、とってもおいしいふく~!」
ふくりんと女の子は、顔を見合わせにっこりと笑った。
〇おわり〇
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最後までお読みいただきありがとうございます。
元気なふくりんのお話でした。
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