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「不埒者! 成敗ッ!」
デーンデーンデーン!
デデデ! デデデ! デーデーデーン!
暴れん坊将軍のテーマのイントロとともにいきなり、ヒイラギは颯爽登場するなりマリナを背後から斬った。
「嫌がる娘に対して作法なき過剰なる性的侵略行為! 同胞どうしである事実を考慮してもなお看過できぬ!」
「モモリ・ヒイラギ!? どうして!?」
マリナがブッ倒れて束縛から解放されたブランカに、いつ着込んだか袴姿のヒイラギが納刀しつつ振り向く。
「ふっ……ぱんつの借りは返したぞ……」
「うーっ」
ブランカは赤面した。
「ぐっ……いいところでジャマだて……」
一方でマリナが苦しみつつ起き上がって瞳を輝かす。
「サムライでーす! しかもツノまで生えてマース!」
「むむっ峰打ちゆえ、安心いたせっ」
「たぶんどっかの骨、折れてマース」
「心頭滅却すれば骨折もまたリラクゼーションなり?」
どちらも天然キャラなのだろうか。
間抜けなやり取りを経て互いに構えて睨み合う。
「てかユーは敵デースか?」
「貴様の感じ方に委ねよう」
「マリナと……申すデス!」
「ヒイラギ……いざ参る!」
ふたり同時に地を蹴って急接近ののちガッシと組む。抜き放たれたカタナを毛髪が絡め取るというカタチだ。
「むむっアジなマネをっ!」
「真剣シラハドリでーす!」
さらに刃を捻って破壊しようとするマリナに対して、ヒイラギは外力の方向にあえて逆らわず下段にいなす。
そこで素早く足を引っかけてマリナの体を横転させ、突きを決めんとするヒイラギだが次の瞬間アッと驚く。
倒れたはずのマリナが髪で掴むカタナを支えとして、上下逆さまのまま自身を持ち上げて浮かんでいるのだ。すかさず他の毛束を伸ばして剣山のように鋭く尖らせ、ダイヤモンド並みの硬度に変質させてヒイラギを狙う。
これにはさすがのヒイラギも武器を捨てて飛び退き、辛うじて串刺しまでは免れるも脇腹にかすり傷を負う。
「サムライの魂じゃないノー? リリースしますヨ!」
空中で反転して着地したマリナがカタナを投げ放つ。
「魂だよ! ゆえにこそ!」
カタナは真っ直ぐ飛来してきてヒイラギの額を貫く、かに見えたが新しく召喚された代用品の鎬に弾かれる。
「いくらでも取り替えがきく!」
ヒイラギは二刀流の構えとなって再び距離を詰めた。
「やめてっ!」
ここでキサラギが出てきてふたりの勝負に水をさす。
「こんなところで戦ったら誰か来ちゃうでしょっ!?」
キサラギが口にした不安は直後に現実のものとなる。
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