『苦しめてごめん・・』―消せない過ちを悔いる日々―  

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12❧- 「ふふんっ。またその彼女から悩ましいメールが来たら言って。 返事を考えたげるよ」  そんな風に神尾にあれこれ世話を焼いていた根米だったが、 出先から営業の人間がポツポツ帰って来はじめた頃、神尾の席から 離れて行った。  こんな風に転勤後2か月目の半ば辺りから俺と根米との距離が 少しずつ近くなっていった。    あれからも二度ほど友里から寂しいというメールが届き、 ずっと気になっていた俺は月末の土・日を利用して郷里に 帰ることにした。  俺は友里に一泊で帰ることを電話で連絡した。  メールだと根米に読まれる可能性があったから。    帰るにあたり以前借りていた家はすでに賃貸契約を解約していて 俺には戻る家がすでになく、それもあって一人暮らしをしている友里の家で 泊まることになった。
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