『苦しめてごめん・・』―消せない過ちを悔いる日々―  

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51❧- wd53  ――― ここで皇紀は寝コケてしまい、長くて恐ろしい夢を見る ―――  地元香川県のホテルにて……   ◇VISION   ホテルで宿泊してリフレッシュしたとはいえ、傷心を抱えたまま皇紀は 本社のある関西へとある決意を持って戻って行った。  半年もの長きに亘りさんざん嫌な思いをして、それでもやっと きれいな身体で友里の元に戻れると思い喜び勇んで帰ったというのに、 余りにも予想外の顛末が待ち受けていたのだ。  精神的にかなりのダメージを受けた皇紀はまだ退去してなかった自宅に戻り一息ついた。  やはりなんだかんだと言って自宅はくつろげてほっとした。  こちらの住まいは友里と暮らすはずの新居が決まったら家電など リサイクルショップなどに持ち込むなり捨てるなりして処分しようと 思いつつお大家にはまだ退去のことは連絡を入れてなかった。  良かったんだか何だか……。  どちらにしてもいい部屋が見つかれば菜々緒に知られているこの部屋は なるべく早く退去しないといけない。  物件を管理している不動産会社へ連絡を取り、解約する旨と 希望する解約日を伝えたら今度は退去に関連する電気・水道・ガスの 解約手続きなど各種の手続きを行なわなきゃならない。  まぁ、なんだかんだとすることがあって新居にちゃんと住めるように なるまでは落ち着けないな。  理想は1か月後の転居だけど、などと思っていたのだが、本当にその辺りで引っ越すことができそうだった。  そのように新居も決まり引っ越しの段取りも付けた頃、行きつけの店へと 久しぶりに顔を出した。  以前いた会社の最寄り駅周辺に立地する居酒屋だった。   一か八かの賭けだった。  自分と縁の切れた根米がこの店に今も来ているのか、定かではない中での 待ち。  果たして……二日に一度の割合で店に通ったのだが三回目で釣れた。  しかもうまい具合に根米はひとりだった。    俺は根米が店に入って来るのを横目に知らない振りで酒を飲んだ。  あんな修羅場があったというのに彼女は俺を見付けると 親し気に話し掛けてきた。  これで『いける』と俺は思った。 3/2 24.01.06
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