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販売所は本社のある自社ビルから少し離れており、
スーパーのスタッフならいざ知らずよもや事務の人間にふたりでいるところを
目撃されていたとは痛恨のきわみ。
気をつけないと。
だけど最悪自分たちの関係が皆の知れるところとなっても、
自分は独身なのだし相手も独身。
何の問題もない。
むしろ公認の仲になれれば結婚の可能性も出てきて逆に自分にとっては
好都合かもしれない。
懸念点があるとすれば今の段階で言葉にして彼からまだ交際を
申し込まれてはいないこと、プロポーズされていないことだろう。
だが自分の美貌に自信のある根米はそこのところはさほど
心配してはいなかった。
というのも、神尾といい仲になってから毎週のように、しかも
仕事帰りではなくわざわざ休日の土曜に逢瀬を重ねていたからだ。
ただし、ただの一度も神尾から誘われるということはなく、
この一点のみが不満といえば不満だった。
……と言いながら、こちらが誘えば彼が断わることはただの一度もなく
根米はかなりふたりの関係性に自信を深めていた。
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