The purpose of life~愛を探して

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時間がかかるかと思われていたが、たったそれだけで二宮さんはその場を去った。 自信ありげだったが、何か策でも思いついたのだろうか? それから二宮さんはどこかに出かけた。 書類を届けに行ったり、備品を買いに行ったりすることもあるから、特に珍しいことではない。 「三沢先生、今、お時間良いですか?」 夕方になり、どこかから戻って来た二宮さんが、俺に訊ねた。 「少しわかりました。」 「え?何がですか?」 「家のことです。」 「えっ!?」 なんでも、クライアントからケーキをもらったから、と口実を付け、早速、母の所に行ってきたというのだ。 二宮さんの早業には、驚いてしまった。 「日持ちしないものだから、早く食べて下さいと言いましたら、私にも一緒に食べて行ってとおっしゃって下さって…」 それもきっと想定していたことなのだろう。 「その時にいろいろお話させていただきました。 けっこうお話好きのお母様ですね。楽しかったです。」 あの母が話好きだって? 何か意外な気がした。 家では必要なことしか話さなかったし、それは今も変わらないと思っていた。 母は二宮さんの前では、いつもとは違っていたようだ。
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