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「これからは、お母様と楽しい時間を過ごせると良いですね。」
「……そうですね。」
そう言われると、急に母との同居が不安に感じられた。
長い間離れて暮らし、同居していた時も、母は働きに出ていたし、あまり話す時間はなかった。
なにせ、母の誕生日さえ覚えていなかったんだ。
そんな母と、同居してうまくいくだろうか?
二世帯なのを良いことに、別居同様の暮らしにはならないか…
そんなことで同居といえるのだろうか?
「どうかなさいましたか?」
「あ…あぁ…その…久しぶりの同居だから、うまくいくだろうか、と。」
「大丈夫です。親子なんですから。
何よりも三沢先生がすぐ近くにいるということだけで、お母様は心強いと思いますよ。」
「そう…でしょうか。」
本当にそうならば…
俺が同居する意味はあるということだ。
確かに、歳を取ったらいつ何があるかわからない。
なにかあった時に、俺がいたら、助けることだって出来るかもしれない。
二宮さんの言葉で、少しだけ自信が出てきたような気がした。
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