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「二宮さん、昨日はどうもありがとうございます。
あなたのおかげで、本当に素晴らしい誕生日になりました。」
「違いますよ。
三沢先生と一緒に過ごせたから、お母様は幸せな一日が過ごせたのだと思います。
昨日は美容院にもお連れしましたから、お疲れじゃなかったですか?」
「いえ、至って元気でした。
綺麗にしてもらって、本人も気分が良かったのだと思います。」
「それなら良かったです。
あ、それから、新居のことですが、少しみつかりました。
もし、お時間が取れるのなら、週末にでもご案内しますが…」
「あ、ありがとうございます。
俺は特に用事はありませんので、二宮さんのご都合の良い時に、よろしくお願いします。」
一体、いつの間に探してくれたんだろう?
彼女もいろいろと忙しいはずなのに。
そもそも、週末は彼女も休みだ。
それを俺のために使ってくれるとは。
謝礼金を包むべきだな。
考えてみれば、昨日も完全に俺の私用に動いてもらった。
坂田にも一応話しといた方が良いかもしれない。
彼女はこの事務所の従業員なんだから。
俺は、坂田をランチに誘った。
「遥香さんとはどうなった?
なかなか美人だし、良い人だろう?」
「あの日は本当にびっくりしましたよ。」
「正直に言ったら断られるんじゃないかと思ってな。」
「断りませんよ。
俺だって、結婚したくないわけじゃありませんから。」
「そうなのか?」
坂田は意外そうな顔をしていた。
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