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（ついに帰って来たか…）
約20年振りの日本だというのに、特に感動らしい感動もなかった。
（都会なんて、どこも同じだな。）
自分でも呆れるくらいに冷めている。
おかしいな。
（ま、気にすることはないか。）
あまりに久しぶり過ぎて混乱しているのかもしれない。
数日経てば、また気持ちも変わるかもしれない。
そんな風に思い直して、俺は、タクシー乗り場へ向かった。
しばらくはホテル暮らしだ。
流れていく車窓の景色を見ていても、やはり感動は無い。
（決めていたことだからかな。或いは……）
だけど、日本語と丁寧な接待には少しだけ和んだ。
長い間、日本を離れ、日本語とも離れていたが、やはりなかなか良いものだ。
やがて、滑るようにして、タクシーはホテルの正面玄関に着いた。
チェックインして、部屋に向かう。
高層ビルからの眺めも、アメリカと、特に何も変わらない。
今夜はゆっくりしようと、ワインとオードブルをルームサービスで注文したが、やはり疲れていたのか、ワインを飲んだら激しい睡魔に襲われ、そのまま眠り込んでいた。
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