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突然の指宿の提案に、ちよりは動揺を隠せず目をパチクリとさせてみせたが、すぐに平静を取り戻して気丈に振る舞う。
「…ありえない」
「人生はさ、嬉しいことも辛いことも含めてありえないことの連続で構成されてんの。そうやって更新を続けて成長して、乗り越えていくの。だからちよりちゃんの人生もさ、そうやって更新していってよ。」
「ちゃんと更新してますよ、私は」
「まぁ、そうなのかもしれないけど。でもふとした時にさ、辛いって顔してるのはこの短い期間でも見ててわかるよ。」
指宿はくしゃくしゃとちよりの頭を豪快に撫でながら「利用してよ、俺を。」と優しく微笑んだ。
その手の温かさに、強く抵抗する気持ちが少し揺らいでしまう。
「お気遣いどうも。でも、一緒に寝るのは絶対に駄目です」
「なんにもしないよ?」
「世界で一番信用できない台詞です」
はははと指宿は高い声で笑い、それもそうかと言いながらパソコンの方へ歩いていく。
「寂しくなったらいつでも呼んで」
そう言いながら机の前で腰を下ろす。
「おやすみなさい」
ちよりはそう言って寝室を出た。
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