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「二人とも、今日は来てくれてありがとう。楽しんでいってね」
ルイスと合流して案内された場所は、新緑と鮮やかな花々が美しい、立派な庭園だった。
そんな庭園の中ほどにはテーブルセットがあり、様々な料理が並んでいる。
「さあ座って。たくさん食べてね」
フルーツやチーズが乗ったサラダ、ピクルス、こっちはアクアパッツァみたいな魚料理。どれも色鮮やかで目にも楽しい。
「美味しそう……!」
席に着いたリアナは目の前の料理を見て目を輝かせていた。これはいいぞ……
「リアナ、この料理はルイスが作ったんだって。ね、ルイス?」
そう言って私はルイスの方を向いた。
「ああ、うん。お口に合えばいいけど」
「ルイス、そういうことはもっと早く言うべき。学校にも持ってきて」
「あはは、気に入ってもらえてよかったよ……それじゃあ、食べようか」
「「「いただきます」」」
私はまずサラダを取り分けて口に運んだ。
「美味しい! このかかってるソースがいいね!」
「ありがとう。野菜やフルーツは新鮮で美味しいから、その素材の良さが生きるようなソースを作ったんだ」
「へぇ、手が込んでるね」
「それはもちろん、喜ぶ顔が見たかったからね」
リアナの方を見ると、珍しく興奮気味だった。
「エマ、これが美味しい! 早く食べてみて!」
そう言って大皿の魚料理を指さした。これだけ喜んでいればルイスも努力の甲斐があっただろう。
私はリアナに言われた通り、その魚料理を口にした。
「うん! すっごく美味しい」
「二人とも喜んでもらえたみたいでよかったよ。なんだか図書室以外のところで会うのは不思議な感じがするね。リアナは学園生活にもう慣れた?」
「エマとルイスと話すのは楽しいし、知らない人達に詰め寄られることもなくなったから快適。エマのおかげ」
よかった、前みたいに絡まれることはなくなったんだ。
「知らない人に詰め寄られるってどういう話!?」
ルイスが心配そうに尋ねる。
「大丈夫。エマが追い払ってくれた」
「もちろん、平和的に解決しましたよ?」
まさか回し蹴りを寸止めして脅したなんて口が裂けても言えない。
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