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第6話 『神山ヒカル。21歳女性。趣味合コン』
テーブル席にシュウイチが座る。
正面から見ると彼女はやはりかわいい。美人というよりも、素直に可愛いという言葉が出てくる顔立ちだった。
「それでは、履歴書を見せて頂けますか?」
「こちらです」
履歴書はクリアファイルに挟められていたが、この大雨のせいで、端の方が少し濡れていた。シュウイチは「おいおい」と思ったが、履歴書を受け取った。
「神山ヒカルさんですねー」
彼女の名前は「神山ヒカル」。年齢は21歳。都内大学に通う女子大生だ。学部は、経営学部に所属している。
「なるほど。それで神山さんはどうして、うちのアルバイト希望したんですか?」
「はい。私が御社を志望した理由は、御社の企業理念に感銘を受けまして~」
ヒカルは、シュウイチの頭の上を見ながら、片言のような口調で喋りだした。
「これは就職面接か・・・?」とシュウイチは思った。
「・・・なので、御社を志望しました!」
と言い終えたヒカルは、満足そうな顔をしている。
「は、はい、わかりました。次になんですけど、シフトは週どのくらい入れますか?」
「毎日です!」
「ま、毎日?うちとしては、うちとしては週4日くらい入ってくれるとありがたいなと考えていたんだけど。それは非常にありがたいです!」
テンプレートのような志望動機よりも、シフトに入ってくれるということに惹かれて、シュウイチは彼女を採用してもいいと思った。
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