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第8話➂ ヒカルの指摘
「こういう事って、普通の会社ならちゃんと管理してるはずなんだけどね。このお店って本部の人とか見に来たりしないの?」
「あまりこないかな」
考えてみると、確かにこの店舗に訪れる本社の人間は、加賀美だけであった。
「なるほどねえ。なんかあったら、このお店は、真っ先に潰されちゃうかもね~」
「な、なんでそのことを!?」
シュウイチは焦って口が滑っってしまった。
「あれ~、やっぱりこのお店なんかあるんだ~。図星だね」
ヒカルは何かを悟ったようだった。
「ま、そんなことだろうと思ったけどさ。」
シュウイチが、どうしてそう思ったのかを聞こうとした時、ヒカルのスマートフォンが鳴った。
「あ、ごめん!これから友達と飲み会だから、帰らなきゃ!」
そういうとヒカルは「じゃあ電話ちょうだいね~!」と言い残し、お店を後にした。
「なんだったんだよ」
シュウイチは、彼女が何者かを履歴書の経歴でしか知らない。
しかし、彼女の言葉、立ち振る舞いがどうしても気になった。
彼女を不採用にしようかとも考えた。しかし、近々、1人アルバイトに欠員がでることを考えると、早急にアルバイト採用しなければならず、簡単に不採用という結論を出すことはできなかった。
「まあ、毎日入ってくれるって言ってたし、いいか」
と、しぶしぶ採用を決めるのであった。
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