第8話➂ ヒカルの指摘

1/1
前へ
/23ページ
次へ

第8話➂ ヒカルの指摘

「こういう事って、普通の会社ならちゃんと管理してるはずなんだけどね。このお店って本部の人とか見に来たりしないの?」 「あまりこないかな」 考えてみると、確かにこの店舗に訪れる本社の人間は、加賀美だけであった。 「なるほどねえ。なんかあったら、このお店は、真っ先に潰されちゃうかもね~」 「な、なんでそのことを!?」 シュウイチは焦って口が滑っってしまった。 「あれ~、やっぱりこのお店なんかあるんだ~。図星だね」 ヒカルは何かを悟ったようだった。 「ま、そんなことだろうと思ったけどさ。」 シュウイチが、どうしてそう思ったのかを聞こうとした時、ヒカルのスマートフォンが鳴った。 「あ、ごめん!これから友達と飲み会だから、帰らなきゃ!」 そういうとヒカルは「じゃあ電話ちょうだいね~!」と言い残し、お店を後にした。 「なんだったんだよ」 シュウイチは、彼女が何者かを履歴書の経歴でしか知らない。 しかし、彼女の言葉、立ち振る舞いがどうしても気になった。 彼女を不採用にしようかとも考えた。しかし、近々、1人アルバイトに欠員がでることを考えると、早急にアルバイト採用しなければならず、簡単に不採用という結論を出すことはできなかった。 「まあ、毎日入ってくれるって言ってたし、いいか」 と、しぶしぶ採用を決めるのであった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加