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第9話 採用通知
面接後のある日。
「もしもし、神山さんのお電話でしょうか?」
「この間の面接は、ありがとうございました。あの後検討した結果、神山さんを採用することに決定しましたので、ご連絡差し上げました」
シュウイチは、なんだか乗り気はしなかったが、ヒカルを採用することにしたのだった。
「え~、マジ!よかった~!ありがとうございます~!」
「と、とんでもないです。それじゃあ、制服などの用意もあるので、一度お店に来ていただきたいんですが、いつならこれそうですか?」
「え、いまから行くよ~!」
「あ、あの、神山さん。一応、私たち店長とアルバイトなので、タメ口はちょっとはやいんじゃないかな?」とシュウイチが暗に注意すると、
「大丈夫、大丈夫~!結局、いつかこうなるから!」
と言い負かされた。
「じゃあ、いまから行くね~!また!」
ヒカルはそういうと電話を切った。
「ズブ濡れの日のあの謙虚な態度は、なんだったんだー」
シュウイチはなんだか虚しくなった。
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