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第10話② 店舗管理責任者ヒカル!?~内部統制編~
「いらっしゃいませ〜!」
「いらっしゃいませ〜!!」
「何名様ですか?」
「何名様ですか??」
ヒカルは、まず和泉から挨拶、店舗内の掃除など、仕事の基本的なことを教えられていた。
どうやらヒカルは、和泉から店舗内の掃除を頼まれたようだ。
しかし、どうもヒカルはただ掃除をしている様子ではない。掃除しながらも何か考えている様子だった。
「店長〜」
ヒカルがシュウイチを呼ぶ。
「なんか色々汚いんだけど」
「いつもこんな感じだけど、どこかに気になりましたか?」とシュウイチが尋ねる。
「こりゃダメだわ!」
ヒカルが勢いよく言った!
「ダメって、どこがダメなのか言ってくださいよ」と、シュウイチは少し怒った口調で言った。
すると、ヒカルは、連続でダメ出しを言いまくる。
入口のマット
レジ横の販売用おもちゃの陳列
テーブルの脚の汚れ
トイレの床
ヒカルは、店舗の隅々まで目を通し、ダメ出しをしまくった。
その度に、シュウイチは「それは気づかなかった」と言うだけだった。
「とまあ、店舗環境についてはこんなところね」
ヒカルは一息ついて額をぬぐうようにして言った。
「あの、君さあ、言いたいこと全部言ってるけど、そんなんで大丈夫?新人だけど。」
「はあ、これだから日本は」とヒカルが肩を落とす。
「ダメなものはダメって指摘しないと、なんの改善にもならないじゃん!」
まさに正論である。
「そういう、新人だから〜とか、何もできないくせに〜とか、店長つまんないよ」
まさに、正論である。シュウイチの店長としてのプライドはヒカルには通用しない。
「す、すみません・・・」
「さて、ここからが本番といったところね」
ヒカルは意味深にそう言った。
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