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第10話③ 店舗管理責任者ヒカル!?~内部統制編~
「このレジ、鍵がつけっぱなしだけど、どうやって管理してるの?」
ヒカルは真剣な目でシュウイチに問うた。
「それは、その日最後まで勤務の人がお金を数えるから、鍵はつけっぱなしにしてるんだよ」
「そういうことじゃないのよ。お金を数え終わったら、どこに置いてるのってこと!」
「それは、いつも事務室の机の上に置いてるけど」とシュウイチは答えた。
「はあ〜、こりゃ全く管理できてないわね」
「鍵は閉めてるんだからいいじゃないか?」
とシュウイチも返す。
「はっきり言う、それはダメなの!」
「なんでだよ?」
「この鍵がなくなった時の責任は、誰が負うの?」
「そりゃあ、店長である僕だよ。それくらいは当然さ」とシュウイチは自慢げに言った。
「じゃあもしこのレジの中のお金がなくなったら?」
「それも僕の責任さ」さらりと返す。
「このレジには何万、時には何十万ていうお金が入ってるのよ。それを店長は全て弁償できるっていうこと?」
「そ、それは厳しいな・・・」
「じゃあしっかり管理しないと!
①鍵は普段誰が管理してるのか。
②保管場所はどこなのか。
③レジを開け閉めできる人は誰なのか。
④誰がお金を数えるのか。
⑤きちんとレシートで出てくる残高と実際のお金が同じになってるか。
そこまでして管理っていうのよ!
これでも本当の最低限の管理だけどね!」
シュウイチは返す言葉がなかった。
ヒカルは続ける。
「これは内部統制の問題なの」
「な、ないぶとうせい?」
「そう!現金っていうのは、会社にとって、とっても大切な財産なの。それを雑に扱って、もしなくしちゃったりしたら、会社にとっては大損害よ!だからなくしちゃったでは済まされないわけ」
ヒカルは続ける。
「内部統制っていうのは、つまり、会社の財産はきちんと会社の中の人で管理してますよってこと!Do you understand?」
シュウイチは最後の言葉にイラっとしたが、
「以後気をつけます。」としか言えなかった。
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