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第2話④ 『突然、閉店宣告』
シュウイチは、自分の店舗がどうなっているのか、全くと言っていいほど把握していなかった。
店舗運営は、本部の人間がほとんど行っていた。それ故、会社の数字に向き合ったことがなかった。
「先月の売り上げは約500万かー。」
シュウイチは、毎月500万円ものお金が動いていることを考えると、興奮したが、自分はそんな給料をもらえるはずがないと現実に落胆した。
シュウイチは続けて思った。
「500万円も売り上げがあるのに、うちの店舗を閉鎖するなんてどういうことだー」
シュウイチが運営する赤浜通り店は、アルバイトが6人ほどいる。その内4人が女性で、2人が男性である。
そして、ホール担当が4人、調理担当が2人だった。
主にホールは女性がメインで担当している。
アルバイトを含め職場の雰囲気は、決して悪くはない。社会人としての最低限のコミュニケーションはとってきたつもりだ。いわゆる社会人として「上手くやっている」のである。アルバイトから職場に対する不満の声も聞いたことがないし、何よりみんな笑顔で働いている。
シュウイチは、「こんな働きやすい職場をなくすなんて、社会的損失だ!」と嘆いた。
その時、シュウイチの携帯電話が鳴った。
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