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「ミソラいいよ!聖花の体に入って!」
わたしの声と同時に人型の冷風が動く。
そして、勢いそのままに冷風は聖花の体を包んだ。
「あ…あぁ……あぁ…」
聖花は空を向いたまま動かなくなった。
「くくっ……くくくっ!」
聖花の肩が小刻みに揺れる。
天晴とカゲが思わず聖花の体から離れる。
「ミソラ……?」
「くくははっ!引っ掛かったらキラリン!この女の体はわたしがもらった!」
両手を広げた「聖花」は高笑いしながらわたしたちを見た。
「や、やっぱり取り憑かれてしまった……!」
カゲが腰を抜かして地面に尻餅をついた。
「うそ……」
全身に鳥肌が立った。
これまでのミソラの言葉はやっぱり油断させるためのうそだった。
「なーんてね。こういうことしてみたかったんだよね」
「さぁ、遊ぼキラリン!」
聖花の顔をしたミソラはあのアルバムの顔写真のときと同じような笑顔を見せた。
わたしは彼女にからかわれたのだ。
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