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「この体、いい感じ。最初はなにして遊ぼうか?」
それからわたしたちは、夏の長い夕方の間ずっと遊んでいた。
ミソラは本当に楽しそうだった。
笑いながら、少し涙を滲ませているのを見たときはわたしまで泣いちゃった。
日差しはいつまでも強い。汗が垂れて、土埃が舞う。
セミの鳴き声がうるさい。でもそれがいい。
公園の水はぬるい。日陰はいい匂いがする。
ミソラはわたしと一緒にジャングルジムの一番上に立った。
「いい景色。ずっとここに登って見たかったけど、危ないからだめだってパパに言われれたんだ」
「へぇ、パパ心配性だね」
「キラリン、今日はありがと」
「わたしも楽しかった」
「わたし もういかなきゃ」
「もう….?さみしいよ」
「わたしもだよ でもいかなくちゃ」
ミソラはわたしにハグしてくれた。
聖花の香りにまざって懐かしい香りがしたような気がした。
冷たい風と夏の暖かい風がわたしの体の周りで混ざりあったあと、ミソラは消えた。
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