第1話 はじめてのフォロワー〈4〉

11/11
前へ
/41ページ
次へ
「この体、いい感じ。最初はなにして遊ぼうか?」 それからわたしたちは、夏の長い夕方の間ずっと遊んでいた。 ミソラは本当に楽しそうだった。 笑いながら、少し涙を滲ませているのを見たときはわたしまで泣いちゃった。 日差しはいつまでも強い。汗が垂れて、土埃が舞う。 セミの鳴き声がうるさい。でもそれがいい。 公園の水はぬるい。日陰はいい匂いがする。 ミソラはわたしと一緒にジャングルジムの一番上に立った。 「いい景色。ずっとここに登って見たかったけど、危ないからだめだってパパに言われれたんだ」 「へぇ、パパ心配性だね」 「キラリン、今日はありがと」 「わたしも楽しかった」 「わたし もういかなきゃ」 「もう….?さみしいよ」 「わたしもだよ でもいかなくちゃ」 ミソラはわたしにハグしてくれた。 聖花の香りにまざって懐かしい香りがしたような気がした。 冷たい風と夏の暖かい風がわたしの体の周りで混ざりあったあと、ミソラは消えた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加