2人が本棚に入れています
本棚に追加
〈5〉
「ねぇ、このワンピースお気に入りだったんだけど、どうしてくれるの?」
聖花は腕を組んでベンチに並んで座るわたしたちを見下ろす。
「ごめん……なさい」
「でもミソラが楽しそうだったから、つい」
「そ、それでミソラは成仏したの?」
「うん。とっても満足そうだったよ」
「それなら別にいいけど」
聖花は納得いっていないようだったが、割とすぐに許してくれた。
「聖花、取り憑かれているとに意識はあったのか?」
天晴は興味津々に聞いてきた。
「ない。気づいたらジャングルジムの上に立ってたから、死ぬかと思った!」
聖花はおおげさに両手を広げた。
「キラリンさん!そんなことよりも早くデッドグラムのアプリを削除しましょう!」
「フォロワーがゼロになればできるはずです!」
カゲがわたしのポケットのスマホを指さした。
すぐにスマホを手に取り、デッドグラムのアイコンをタップする。
通知があった。
【ミソラさんがフォローを外しました。このアカウントは存在しません】
覚悟はしていたが、少しさみしさがあった。
わたしのフォロワーはゼロになり、わたしのフォローもゼロになっていた。
「本当に成仏したんですね……」
最初のコメントを投稿しよう!