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「おお!ついに買ってもらったか!」
「ピンクのケースも良い感じですね」
天晴とカゲが喜んでくれた。わたしは得意げにスマホを見せる。
「ママと一緒に初期設定するのに、少し手間取っちゃって」
「それに買ってもらったのも中古のやつだし…」
新品は高い。
わたしはママとの交渉の末、「中古品のスマホなら」という条件を引き出すことに成功した!
「中古と言ってもこの機種は一昨年の年末に発売されたものです。機能的にはなんの問題もありません。実際僕が持っているよりも最新の機種ですし」
「そうそう!スマホなんてのは、ある程度の機能があれば良いんだよって父ちゃんも言ってた」
(古いからバカにされたらどうしようかと思ったけど、大丈夫だった……)
二人の言葉を聞いてわたしは少し安心した。
「で、どうする?」
「いろいろやりたいことはあるけど、やっぱりアレかな」
「そうだよな!【デイズグラム】だよな!」
「いいね!早速ダウンロードしよ。キラリンやり方分からないだろ?」
「うん。そうだね」
「俺が手伝ってあげるよ」
天晴がわたしのスマホを手に取った。
【デイズグラム・Daysgram】とは若者の間で流行っているSNSだ。
画像や動画をアップしたり、日記やブログのように使っている人もいる。
お互いにフォローしあってメッセージを交わすこともできる。
スマホを持ってる友だちはみんな、デイズグラムをインストールしていた。
わたしと天晴とカゲが画面を覗き込んでいると、公園の入り口の方に気配を感じた。
振り向くとそこには真っ白な高級車が止まっていた。
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