第1話 はじめてのフォロワー〈1〉

3/7
前へ
/41ページ
次へ
「おお!ついに買ってもらったか!」 「ピンクのケースも良い感じですね」 天晴とカゲが喜んでくれた。わたしは得意げにスマホを見せる。 「ママと一緒に初期設定するのに、少し手間取っちゃって」 「それに買ってもらったのも中古のやつだし…」 新品は高い。 わたしはママとの交渉の末、「中古品のスマホなら」という条件を引き出すことに成功した! 「中古と言ってもこの機種は一昨年の年末に発売されたものです。機能的にはなんの問題もありません。実際僕が持っているよりも最新の機種ですし」 「そうそう!スマホなんてのは、ある程度の機能があれば良いんだよって父ちゃんも言ってた」 (古いからバカにされたらどうしようかと思ったけど、大丈夫だった……) 二人の言葉を聞いてわたしは少し安心した。 「で、どうする?」 「いろいろやりたいことはあるけど、やっぱりアレかな」 「そうだよな!【デイズグラム】だよな!」 「いいね!早速ダウンロードしよ。キラリンやり方分からないだろ?」 「うん。そうだね」 「俺が手伝ってあげるよ」 天晴がわたしのスマホを手に取った。 【デイズグラム・Daysgram】とは若者の間で流行っているSNSだ。 画像や動画をアップしたり、日記やブログのように使っている人もいる。 お互いにフォローしあってメッセージを交わすこともできる。 スマホを持ってる友だちはみんな、デイズグラムをインストールしていた。 わたしと天晴とカゲが画面を覗き込んでいると、公園の入り口の方に気配を感じた。 振り向くとそこには真っ白な高級車が止まっていた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加