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「いや、フォロワーならおれもカゲもいるけど。クラスのみんなもフォローしてくれるだろうし」
天晴がこともなげに言った。
「あ、あなたたち庶民とわたしのフォローはその価値がぜんぜんちがうの!」
「なんだよ、それ。意味わかんね」
天晴が聖花を無視してスマホの画面に視線を落とす。
「あ、あの聖花さんはもしかして、キラリンさんの最初のフォロワーになりたいんじゃないでしょうか?」
カゲが遠慮がちに言った。
「え……そうなの聖花?」
瞬間、聖花の顔が真っ赤になる。
「いや、あの、そうじゃなくて……わたしはただ」
「それならそうと早く言えよ。ゆずってやるって」
聖花は否定していたが、天晴にうながされてスマホを手に持った。
天晴が素早くタップし、インストール画面へと進ませる。
【インストールしますか?】
画面にそう表示されると、天晴がわたしにスマホを返した。
わたしはサイドボタンを二度クリックした。
ピコーン♪
軽快な通知音とともにインストールが始まり、すぐに完了する。
「いよいよユーザー登録かぁ。楽しみ」
画面に現れる指示通りに設定を進める。
「アカウント名は何にするんですか?」
カゲが言った。
わたしのアカウント名は決まっている。
あだ名そのままの【キラリン】だ。
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