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「福居さん、一緒に考えてみようか」
「急にお仕事モードですか…はい」
茶どころが本社のお茶会社“秦野茶園”が、全国展開する“はたの茶寮”。お茶に強みのある和風喫茶店、はたの茶寮はここ都内を本社として独立した会社だ。井原さんと私は、はたの茶寮の広報メディア課で、オウンドメディアの運営管理を担当している。
そして“一緒に考えてみようか”というのは、彼がストレートにgoを出せない時などに、私にもう一度考えさせるセリフだ。言葉通り、一緒に考えてくれる姿勢なのでいつも助かる。
「タイパって何?」
「…タイムパフォーマンスの略です」
「そうだね、時間対効果だね。タイパが悪いってのは、費やした時間に対して小さな満足しか得られない場合を意味する」
「はぁ…」
何度か同じような会話をチームミーティングでもしてるよ。
「すーーっつ…」
自動的に吸わないで…と急いでちゃんと返事する。
「はいっ、そこまではしっかりとOKですっ」
「慌てなくても大丈夫。俺がもれなく吸い…」
「もうこうしてる間にも時間が過ぎていくんですよ」
「俺は、和紗と一緒にいる時間に満足しているからいくら時間を費やしても満足でしかない。よって、俺と和紗の間にタイパが悪いという言葉は存在しない」
すっごいどやってますね。
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