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名保志麻衣の日常
「はぁ……疲れた」
今日も音が鳴った。周囲に劣等感を抱かざるをえない毎日に嫌気がさす。
「あ、LINE。返さなきゃ」
立川怜也、私の彼氏からの連絡だ。
彼は友達の知り合いで、他クラスだが入学してから数日で話すようになった。頭が良く真面目で優しいが、お世辞にもかっこいいとは言えない。
そして、最低なことを言ってしまうと、私は彼のことが好きで付き合ったわけではない。ただ、病気に耐えて学校へ行く毎日に、薬を飲んでも良くならない現状に、嫌気がさしてしまったのだ。これ以上一人では無理だと思ってしまった。だから、彼からの告白を受けてしまったのだ。けれど、本人や周りには言えるわけもなく、好きなふりをしている。
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