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『日曜日のハロウィンの写真、今日届いてたぞ』 司朗からのメールに思わず苦笑する。 黒ネコの仮装を嫌がって、招待されたパーティーを欠席しそうな勢いだったのを思い出したから。 スマートフォンでこっそり撮影した司朗は、顰めっ面で自分の尻に着いた尻尾を見てる。 確かにその雰囲気は、猫というより狼のようだ。 子供の頃の学芸会を思い出す。 劇で『赤ずきん』を演る事になり、狼役に決まった司朗は随分と張り切っていたっけ。 狼の耳と尻尾と両手足を着けて遠吠えの練習までしていたあの頃から、司朗は変わらずカッコイイ だから…見たくなる。 「…ね、俺しか知らない可愛い司朗、見せてよ…」 「……そんなに言うなら……仕方ないな…」 「パーティーは早めに抜け出そうな…」 そう言ったあの日、帰宅後に仮装したまま抱きしめた司朗はやっぱり可愛くて 思い出すだけで逸る気持ちを落ち着かせようと、指を動かした。 『早く帰るよ。楽しみにしてる』
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