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Ⅰ
「…よろ…づか……か、かむ?」
「……鎧塚神威…です」
「漫画の主人公みたいな名前でしょ?当の本人は恥ずかしがり屋なのにね。神威って呼んであげて」
「神威君、分からない事があったら何でもうちの司朗に聞いて頂戴ね」
目ぇデカいな…背もデケぇ…なんか大型犬みたいだな
小学二年生だった俺の、それが神威の第一印象だった。
「お前、ほんとに日本人かよ!?やーいやーい!がーいこくじーん!!」
「やい、オマエらー!神威をバカにすんなぁ!!」
「うわぁ〜!!シロが来たぞぉ!!」
「司朗、司朗!もう良いよ!雨に濡れちゃうよ…」
クラスの悪ガキ共を雨の中追いかけた俺に、傘を差し出した神威もずぶ濡れだった。
ジーッと見てくるし、体は小さいのに声は大きくて、なんか狼みたい
それが後で聞いた神威の、俺の第一印象だった。
人見知りする神威は、いつも俺の傍から離れなかったよな…
あれから、もうどれくらいの時間が過ぎた?
いい歳の大人になった今でも、神威は俺の傍から離れない…
今も、ほら…
俺を抱き締めるようにして隣で眠ってる
軽く神威の髪に触れながら、俺も目を閉じる。
離れられないのは、俺の方か……?
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