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Ⅲ
郵便受けに入っていたのは、友人が直接持って来たのだろう先日のハロウィンパーティーの写真だった。
黒ネコの耳と尻尾を着けた不機嫌顔の俺と、牙を着け吸血鬼風マントを纏ったキメ顔の神威が写っている。
「ヤダよっ!猫なんて!!せめて狼とかないのかよ!?」
「ハロウィンといえば魔女とか黒ネコだろ?」
「ならお前がやれよ!」
「俺がやったって可愛くないだろ。それに俺は吸血鬼をするし」
「何が可愛いだ!!ヤダっつったら、ヤダからなっ!!!」
あんなに拒否ったのに結局黒ネコの仮装をしたのは……神威の所為だ…
あの時、あんなコト言うから…
「司朗がカッコ良くありたいと思ってることも、事実カッコイイってことも知ってるよ。でもさ、偶には可愛い司朗も見せてよ。ネコ耳、似合うと思うんだけどな〜」
「……」
「…ね、俺しか知らない可愛い司朗、見せてよ…」
そう耳打ちされて断れなかった俺も、大概神威には甘いんだよな…
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