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「もういいかーい」 「もういいよー」 ガキの頃、俺はかくれんぼが下手クソだった。 「司朗、見ぃつけた!」 「えぇ~!もうかよぉ?何でバレるんだよ~」 神威が鬼になると、必ず最初に見つかるのは俺だった。 「もういいかーい」 「まぁだだよぉ」 逆に俺が鬼になると、必ず最後まで見つけられないのが神威だった。 どれだけ捜しても、どこを捜しても見つけられず、泣きそうになるのを必死に我慢していたっけ… 「なぁ、アレってどうしてだ?」 幼い頃の疑問を、イイ歳の大人になった今さら聞いてみる 「ん~、簡単なコトだよ。司朗はいつも何処かちょっとだけ見えてた。好きな奴の些細なコトも見逃さないようにしてただけだよ。それに、俺はいつだってお前に “ここにいるよ” て、伝えてたつもりなんだけどなぁ」 意地悪く笑う神威にムカついて、ヘッドロックを仕掛けながら嫌味を言う唇を唇で塞いだ。
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